この時期としては厳しい朝の冷え込みとなりました。朝の勤行に参加するため本堂に向かって登廊を上がります。山内の凛とした朝の空気と朝露に濡れた牡丹の花が咲き乱れる中、ゆっくりと登っていきます。
勤行では、読経に合わせて観音様の緞帳が下がり、お顔が見られる開帳法要を修していただきました。何度参加しても厳かで感動的な法要です。
そして、紫式部が源氏物語の構想を練ったといわれる石山寺に参拝しました。長谷寺と同じく西国観音霊場の一つで、今回はご本尊の参拝の他、初夏の特別公開ということで光堂にて平安時代の大日如来、鎌倉時代の阿弥陀如来、桃山時代の如意輪観音と3つの時代の仏様をお参りすることができました。
続いて、今回の団参で目玉となる醍醐寺を訪れました。現在慶性院は長谷寺を総本山とする真言宗豊山派に属していますが、明治期まで法要の所作など醍醐寺三宝院流と呼ばれる流派を汲んでいたと伝わります。三宝院の美しい庭園や本堂の弥勒菩薩をお参りしながら、当山悠久の歴史を感じていただけたと思います。